こんにちは、ぴーです。
私は日本の大学院博士課程に在籍し、2024年8月〜12月にノルウェーの大学院へ交換留学をしていました。
博士課程での交換留学は、学部生の留学に比べるとかなり珍しいですよね。
だからこそ、「実際に行ってみてどうだったのか?」「ノルウェーで学ぶ良さ・注意点は?」という点を、私の経験をもとにまとめてみたいと思います。
この記事は、以下のような人におすすめです。
- 大学院生で交換留学に興味がある
- 北欧留学に興味がある
- 研究留学以外の選択肢を知りたい
私のノルウェー交換留学の概要
私の交換留学の概要は以下の通りです。
- 所属大学の交換留学制度を利用
- 大学院の1セメスターで2つの授業を履修
- トビタテ留学Japan16期で留学
- 交換留学以外に、病院や研究チームを訪問
- 学生寮で現地学生や留学生と生活
- 英語力はIELTS6.0
「なぜノルウェーなのか?」という点は、「学びたいコースがあったこと」と「語学要件が低めだった」という理由です。
留学先決定前は、カナダの大学も候補にありましたが、英語圏のため語学要件が高く…。
結果的にノルウェーになりましたが、色々な点でノルウェーにしてよかった!と思っています。
ちなみに、交換留学先では専門分野とは異なる「人権と多文化主義」という修士コースでした。
なぜ、博士課程で交換留学?
私が博士課程2年目で留学をした理由は、もともと留学に興味があったからです。
学部の頃は、実習やサークルで忙しく、また「留学はとにかくお金がかかる」と思って踏み出せず。
仕事を辞め修士に進学した頃はコロナが流行しており無理でした。
博士課程に進学した時、「今なら行ける!」というタイミングだったんですね。
留学には交換留学のほか、派遣留学や研究留学など、色々なタイプがあります。
でも、金銭的に交換留学が一番現実的だったし、興味のあるコースも見つかりました。
この留学の目的は、ずっとしてみたかった留学をすること。
その結果、ノルウェーで他の分野を学び、トビタテに採用されて他の活動を行うことになりました。
博士課程で交換留学するメリット
博士課程での交換留学の良さは、専門分野の知識と経験を持った上で学ぶことができることです。
私自身28歳での留学でしたが、学部・修士を終えており、社会人経験もありました。
これは、物事を色々な角度から考えるのにとても役立ちました。
また、全く馴染みのない場所で生活し、勉強をするにも、ある程度落ち着いて取り組むことができました。
悪く言えば思考が凝り固まっている部分があるのかもしれませんが、それを自覚さえしていれば良いと思います。
さらに、「博士課程の学生である」ことは色々な人の信用を得ることができます。
交換留学先以外の活動の際、博士課程の学生だから円滑に交渉が進んだ場面が多くありました。
ノルウェーに留学して良かったこと
私は留学先の選択肢としてカナダとノルウェーがありましたが、結果的に「ノルウェーに留学してよかった!」と思っています。
圧倒的に日本人が少ない

ノルウェーには、日本人がとても少ないです。
ノルウェーの首都オスロには観光客や在留日本人をたまーにみかけるくらいで、私が生活していたエリアには数人(2〜3人)しかいませんでした。
以下は、ノルウェーと留学先として人気な国の在留日本人数の比較です。
国 | 在留日本人の数 |
---|---|
ノルウェー | 1,508人 |
カナダ | 75,112人 |
オーストラリア | 99,830人 |
ニュージーランド | 26,020人 |
スウェーデン | 4,590人 |
フィンランド | 2,257人 |
参照:2023年10月1日時点の外務省『海外在留邦人数調査統計』
この比較から見ても、ノルウェーはカナダやオーストラリアと比べると断然日本人が少ないのがわかりますね。
日本人がいないことによる不安もありますが、英語漬けの環境に身を置くという意味ではとてもよかったと思います。
安全で快適な環境

ノルウェーはとても綺麗で安全な国です。
もちろん注意は必要ですが、女性1人で夜も出歩けます。
5ヶ月間生活してみて、日本とほとんど変わらない、という感覚です。
水道水は飲めるし、トイレもウォシュレットはついてないけど基本的に綺麗です。
学生寮やホテルのキッチンはオール電化、食洗機が基本です。

スウェーデンに留学していた友人は、学生寮に食洗機がないと言っていました。ノルウェーでは食洗機のある場所しか見なかったので、これは大きな特徴かもしれません!
交通機関はアプリを使用、クレジットカードが使えない場所はほとんどなし。
現地の人も、少しシャイながらとても親切な人ばかりでした。
海外って安全や快適さがどうなの?という不安があるかもしれません。でも、私はノルウェーでは何も困りませんでした。
ゴミの仕分けはきっちりされており、日本よりも意識が高いのでは?と思う部分もありました。
英語が第二言語である


ノルウェーは、第一言語がノルウェー語です。
ほとんどの人が英語を流暢に話せますが、それでも第二言語です。
ネイティブスピーカーのように、「話すのが早すぎる!」「スラングが多くて訳わからない!」ということがとても少なかったです。
ノルウェー人もたまに知らない英単語があり、翻訳を使うこともあります。
「第二言語同士の会話は楽」と言いますが、それを実感しました。
また、英語に対して厳しくないので、間違えても話そうという人の姿勢を大切にしてくれます。
英語を学ぶための語学留学であれば、英語圏への留学が良いと思います。でも、それ以外で初めて留学に行く場合、英語が第二言語である国はメンタル的に楽でした。
ヨーロッパ旅行が簡単にできる


なんといっても、ノルウェーを含め、ヨーロッパ留学の良いところは他の国への旅行がとても簡単なことです!
例えば、ノルウェーの首都オスロから人気観光地への所要時間は以下の通りです。
- フランス・パリ(シャルル・ド・ゴール空港):約2時間30分
- イギリス・ロンドン(ヒースロー空港):約2時間10分
- スイス・チューリッヒ(チューリッヒ空港):約2時間20分
- ドイツ・ベルリン(ブランデンブルク空港):約1時間40分
ジェンゲン協定内(※)の移動は面倒な入国審査もないので、ほとんど国内旅行のような感覚でした。
私は半年間の留学だったので、旅行は週末にスイスとデンマークのみでしたが、お金と時間さえあれば色々な国への観光を楽しめます。
※ジェンゲン協定:ヨーロッパの一部の国々が結んでいる 「国境検査なしで自由に移動できる」 という協定。シェンゲン協定に加盟している国の間では、パスポートコントロール(国境での入国審査)が不要になり、国内移動のようにスムーズに行き来できる。イギリスはジェンゲン協定外。
ノルウェー留学の注意点
私は結果的にノルウェーに留学してよかったと思いますが、「誰にでもオススメ!」と言えるわけではありません。
いくつか、デメリットとして注意点をまとめておきます。
物価が高く何をするにもお金がかさむ


ノルウェーはとても物価が高い国です。消費税も高いので、何をするにしてもお金がかなりかかります。
例えば、日本食レストランでラーメンを食べると1杯2,000円ちょっとかかります。ビールは1杯1,500円くらいします。
現地の人も、外食は高いので特別な時以外はあまり外食をしません。
交通費も高いです。バスは2〜3駅でも400円くらい、電車は私が住んでいた場所から首都オスロまで片道40分で1,500円くらいかかっていました。
物価の高い国は多いですが、ノルウェーは他のヨーロッパ諸国と比較しても非常に高いです。
計画的なお金の管理が必要になります。
娯楽が少なく部屋にこもりがちになる


ノルウェーには自然を楽しむ場所がたくさんあります。
しかし、日本のように手軽に行ける居酒屋、カラオケ、ボーリングなどはありません。(あっても高いです)
USJやディズニーランド、スポッチャ、チームラボもありません。
自然を楽しむ娯楽がそんなに好きでない場合、部屋で過ごす時間が多くなると思います。
実際、私が仲良くなった現地学生は授業の時以外は部屋でゲームをして、週末は実家に帰るという生活をしていました。
ひとり時間を楽しめる人には問題ないと思いますが、「暇な時間は友達とワイワイ外出したい!」という人は少し寂しいかもしれません。
冬は天気が悪く日照時間も短い


北欧は、冬が長く、寒く、そして暗いです。そんな冬景色は美しいし、空気も澄んでいます。
でも、やっぱり、「日照時間」って本当に大切です…。
冬は体調を崩したり精神的に辛くなる人が結構多いです。
ただ、部屋を明るくしたり、意識的に生活リズムを整えたり、ビタミンを摂取したりと対応策は色々あります。
私もビタミンDの摂取をして、落ち込みそうになった時は友人とおしゃべりしていました。
ノルウェーの北の方、北極圏に留学する場合は日照時間がたった1〜2時間の場所もあります。
ノルウェーで冬を過ごす場合、あらかじめ覚悟してしっかり対策をすることが重要です。
私にはノルウェー交換留学があっていた!自分が納得いく選択を
ここまで、私のノルウェー交換留学の概要、そして良い点と注意点をお話してきました。
結論、ノルウェー留学がオススメな人は以下の通りです。
- 日本人が少ない環境で頑張りたい
- 綺麗で安全な国に留学したい
- 皆でワイワイするよりも少人数で深く仲良くなりたい
- 一人の時間を楽しむことができる
- ヨーロッパ旅行がしたい
私はこの特徴に当てはまっていましたし、留学をしてノルウェーが大好きになりました。
交換留学は短くて数ヶ月、長くても1年です。この貴重な期間をどこで過ごすのかを考える一つの参考になれば幸いです!



