こんにちは、ぴーです。
みなさん、「パルスオキシメータ(SpO2モニタ)」ってどういうものか知っていますか?
SpO2は、「経皮的動脈血酸素飽和度(saturation of percutaneous oxygen)」のことです。
全身に酸素を運んでいるのは、血液中に含まれるヘモグロビンという血色素タンパク質です。
SpO2は、この酸素の運搬屋さんのヘモグロビンのうち、“酸素に結合したヘモグロビンが何%を占めるか?”ということを、皮膚を通して測定した値です。
このSpO2を測定する機械が「パルスオキシメータ(SpO2モニタ)」です。
病院では当たり前のように使っている機械ですが、最近は新型コロナウイルスの流行に伴いテレビやネットでよく耳にするようになりました。
新型コロナウイルスに感染し、自宅療養となると、保健所からパルスオキシメータを貸し出しをされるということもあるみたいですね。
近頃、東京では感染者が増え、自宅で健康管理をすることを余儀なくされるようになってきています。
そこで、本日は
「SpO2モニターって、どうやって使うの?」
「どういうものを購入したらいいの?」
ということについて説明していきたいと思います。
パルスオキシメータの使い方
私が最近、自宅用に購入したパルスオキシメータはこちらです。
ダイキンのライトテックDP1という商品で、医療機器登録がされているものです。
画像からもわかりますが、パルスオキシメータの大きさは縦6cm×横4cm×高さ3cmくらいの手のひらにちょこんと乗るようなサイズです。
では、実際に指にはめてみます。
このような感じで、2つの数値が出てきます。
上の99という数字がSpO2値で、下の76という数字が脈拍数(puluse rate)です。
また、画面の右に黄色の小さい四角がありますが、これは脈拍を検知して上下に動きます。
この場合、私はSpO2値が99%で脈拍数が76回/分であるということがわかります。
このSpO2値の標準値は、健康な人だと96%以上です。
しかし、SpO2値が96%以下だとすぐに酸素の投与が必要かといえばそうではなく、90%以上が維持されるように保ちます。
SpO2値90%を切る場合は、脳や心臓への酸素の供給に影響が出るので、早急な対処が必要です。
※慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘息などの基礎疾患をお持ちの方は、SpO2値と症状に合わせた対処が必要になります。
パルスオキシメータ使用時の注意点
パルスオキシメータは簡易的な機械なので、測り方や身体の状態によって変化してしまう可能性があります。
そこで、パルスオキシメータを使う際の具体的な注意点を3つご説明します。
①指の状態や身体の動き
パルスオキシメータでSpO2値は、プローブ内で光の透過量を感知して測定されています。
そのため、指の状態や身体の動きによって測定する値に影響が出てしまいます。
主な注意点は、以下の通りです。
- マニュキア、爪の汚れがある
- 手足が冷えている
- 指にむくみがある
- 運動後、脈や呼吸が戻らないまま測っている
- 外など強い光が当たる場所で測っている
- 機械がずれている
SpO2値を測定して、「あれ?低いな?」「脈拍がうまくでていないな」と思ったら、まずはこれらの注意点を確認してみましょう。
②貧血がある場合
もう一つ重要な注意点として、貧血がある場合のSpO2値のについてです。
先ほども説明した通り、
SpO2は、この酸素の運搬屋さんのヘモグロビンのうち、“酸素に結合したヘモグロビンが何%を占めるか?”ということを、皮膚を通して測定した値です。
”何%を占めるか”という値を測っているので、もともとのヘモグロビンの量が少なくても、SpO2値が正常値を示すことがあります。
③一酸化中毒や喫煙後
パルスオキシメータは、①酸素と結合したヘモグロビンと②一酸化炭素と結合したヘモグロビンを区別することができません。
そのため、一酸化中毒や喫煙後には、パルスオキシメータでSpO2値を測っても、全身に酸素が行き渡っているかどうかはわかりません。
「苦しい」という症状は、必ずしも呼吸機能ではなく他の部位で問題が起こっていることもあります。
パルスオキシメータの値だけでなく、「息の仕方はどうか?」「どのへんが苦しいか?」など他の症状も合わせて確認することが大切です。
新型コロナウイルス対策でパルスオキシメータは必要か?
私は先日新型コロナウイルスに感染し、自宅療養をしていました。
東京都内では感染者数が増加して、保健所もパンクしているのかパルスオキシメータや食料の配布はありませんでした。
そこで問題になったのは、「パルスオキシメータを購入する必要があるか?」です。
私の場合は咳が長く続いて、息苦しくなることもあったので購入することにしました。
パルスオキシメータを購入する時は、ある程度の価格帯で品質が保証されているものが良いと思います。
購入してみての感想は、”自宅で、体温測定と一緒に手軽に酸素飽和度も測定できるのは安心”です。
ただ、感染者が増加する状況で「パルスオキシメータの値が下がったからといってすぐに対応をしてもらえるか?」というところは問題だと思います。
パルスオキシメータは、その値がいつでも正確というわけではなく、病気の判断がそれだけでできるものではありません。
自分に必要がどうか?色々な注意点を理解して使用できるかどうか?をよく検討して使用することが大切だと思います。
参考資料
- 坂本すが,井出尾千代美(2007).完全版ビジュアル臨床看護技術ガイド(pp.43-45),照林社.
- 日本呼吸器学会.(2017).パルスオキシメータとはどのようなものですか?.https://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=139
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