こんにちは、ぴーです。
もうすぐ大学院生。
就職とか進学につながるように有意義な2年間にしたいな。
でも、具体的にどういう風に過ごしたらいいんだろう?
この記事では、こうした疑問にお答えします!
私は、2023年3月に修士課程(看護学)を修了し、4月より博士課程に進学することになりました。
修士課程で過ごした2年間は本当にあっという間でしたが、自分なりに「やり切った」と思えますし、指導教員の先生も「ぴーさんは本当に頑張ったね」と言ってもらうことができました。
大学院生としての2年間は本当に貴重な時間だったし、思い切って進学して良かったなと思っています。
でも、今思えば「もっとこうしておけばよかった!」と後悔していることも事実です。
そこで、この記事ではこれから大学院生になる!という方、もしくは大学院に在籍中の方に向けて、特に修士課程の2年間でやっておくべきことについてお話したいと思います。
改めて大学院とは、何をするところ?
大学院といえば、「研究をするところ!」ということは皆さんわかっていると思います。
大学院の目的は、修士課程・博士課程でそれぞれ文部科学省によって定められており、各大学はこれをもとに教育・研究指導をしています。
【修士課程】
修士課程は、広い視野に立って精深な学識を授け、専攻分野における研究能力又はこれに加えて高度の専門性が求められる職業を担うための卓越した能力を培うことを目的とする。
【博士課程】
博士課程は、専攻分野について、研究者として自立して研究活動を行い、又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な 高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養うことを目的とする。
引用:2009.11.18 「修士課程・博士課程の関係について」中央教育審議会大学分科会 大学院部会(第48回) 資料4-1
簡単にいえば、修士課程は「指導教員の指導のもと研究を行う」、博士課程は「自立して研究を行う」という違いがあります。
しかし、「先生の言うとおりに研究を進めていけばいいのかな〜」というと、そうではなく、修士課程でもある程度自立して学習や研究をしていくことが重要です。
修士課程から自立的な姿勢で過ごしていると、この経験が将来どのような道に進もうと、とっても役立ちます。
それでは、自立的に学習や研究を進めるためにやっておいて良かったこと5選をご紹介します!
大学院在学中にやっておいて良かったこと
私が大学院在学中にやっておいて良かったことは、以下の5つです。
- 修了まで(2年間)の計画を立てる
- 英語力をつける
- 積極的に研究会・学会に参加する
- 読書をたくさんする
- 専門分野以外の人と関わる
① 修了まで(2年間)の計画を立てる
修士課程は基本的に2年間で修了しますが、学習や研究の進め方は人それぞれです。
もちろん、研究をして論文を完成させることが必須ですが、他にも授業をとったり、学会に参加したりすると思います。
計画的に研究を進めつつ、他の活動も行うためには、時間の流れに身をまかせるのではなく事前に計画を立てておくのが重要です。
私は、指導教員に各セメスター(前期・後期)ごとに指導教授に年間スケジュールを見せ、達成状況と今後の計画を報告していました。
実際のスケジュールは、以下のような感じです。
このように、1年間ずつではなく修士課程の2年間の計画を把握しておくことは、やる気・達成感につながると思います。
研究計画書はいつまでに完成させるのか?倫理審査はいつ出すか?を決め、それに向けて準備開始時期を決定しておくと、「今から取り組もうと思ったけどもうそんなに時間がなかった!」ということがなくなります。
② 英語力をつける
私が英語力をつける必要があると考えるのは以下の3つ理由からです。
- 研究や学習における視野が広がる
- 海外研究者とのコミュニケーションができる
- 将来的に就職や生活の選択肢が広がる
まず、自分の研究を有意義なものにするためには日本だけではなく世界の知見を知る必要があります。
つまり、海外の論文や本、ニュース記事などを読む必要があります。
「今はGoogle翻訳とかChatGPTがあるから英語なんてできなくてもなんとかなるでしょ?」と思われている方、そんなことありません。
確かに、英語で書かれた論文は機械翻訳によって簡単に日本語で読むことができます。
しかし、機械で日本語に翻訳された文章は不自然で理解しづらいこともありますし、時間もかかるので、そのまま読めた方がはるかに効率が良いです。
英語で書かれた論文を読む力は、自分が英語で発表をしたり、論文を書くときに役立ちます。
また、海外の研究者とコミュニケーションをとるには、スピーキング力が必要ですが、その時に機械翻訳に頼ることはできません。
最後に、日本人で英語が得意な人は10%未満、つまり10人に1人もいないそうです。
私の周りを見る限り、大学院生や研究者でも、英語が苦手な人が多く、大学の先生でも英語の論文を出していない方がいます。
こういう状況を見ていると、英語力を上げるために努力をすることは、将来的に就職をしたりポストを得る時に有利になると思います。
私は、英語力を上げるために大学院在学中にTOEICの受験、オンライン英会話、オンライン留学、IELTS受験勉強をやっていました。今でも、英単語の学習とスピーキングの練習は毎日やっています。少しずつ英語力が身についてきて、今では第3言語(フランス語)にも挑戦中です。
③ 積極的に学会・研究会に参加する
研究は、一人で集中して行うのも大事ですが、さまざまな人とコミュニケーションをとって視野を広げることも大事です。
指導教員や同じゼミの先輩が参加している学会や研究会に積極的に参加するのをおすすめします。
他の人の発表を聞くことで、プレゼンテーションの方法とか、ディスカッションの仕方を学ぶことができます。
また、今まで知らなかった視点や考え方を学び、自分の研究に活かすこともできます。
ちなみに、私は修士1年目のことは、学会や研究会について右も左もわからず、あまり参加できませんでした。今思うと、周りの人に聞いて積極的に動いていればよかったと思います。
学会や研究会で発表をすると、研究者としての実績にもなるため、就職や進学にも有利になります。
最初は「知らないひとばかりいる学会なんて怖い!」と思うかもしれませんが、研究者は一人で参加している人も多いので浮いたりはしませんよ!
一つの学会や研究会に参加すると、他の領域のイベントの情報なども手に入るので、活動範囲を広げることもできます。
ちなみに、学会や研究会では名刺交換をすることもあるので、大学名や連絡先を記載した名刺を用意しておくと便利だと思います。
④ 書籍をたくさん読む
自分の専門分野に関わらず、たくさん読書をするのがおすすめです。
私は、なかなかまとまった時間をとれずにそこまでたくさんの本を読んだという自覚はないのですが、スキマ時間を見つけては本を読んでいます。
ジャンルは、自分の専門領域(医療・看護)に関わらず、哲学、経済学、自己啓発、ノンフィクション、小説など幅広く読みます。
理由は、本を読むと視野が広がって思わぬアイディアが浮かび、研究にも役立てることができるからです。
例えば、小説を読むと言葉の言い回しや文章の構成が勉強できますし、時間管理術の本を読むと勉強や研究をどのように効率的に進めていくかが学べます。
仕事をしないで大学院生をやっていると、「このままでいいんだろうか」と悩むことも多いかもしれませんが、自分にとっての生き方を模索するのにも読書は役立ちます。
ちなみに、本は図書館で借りるのもいいですが、気になった本はできるだけ購入するようにしています。
内容を忘れてしまうし、気になったところに付箋やマーカーをしておくと、いざという時にすぐに参考にできるからです。
⑤ 自分の専門分野以外の人と関わる
大学院生になったら、自分の専門分野を極めるのも大事ですが、柔軟に色々な人と交流をすると良いです。
例えば、少し違う分野の学会・研究会に参加してみたり、興味はあるけどやったことないアルバイトをしてみたり、ボランティアをしてみたり…。
TwitterやfacebookなどのSNSでも良いと思います。
私は実際、オンライン留学をして同じ大学の学部生とコミュニケーションをとったり、心理学の学会に参加して医療以外の研究者の方と話したりしました。
若い学部生からは最近の流行について教えてもらいましたし、他の領域の研究者には自分にはない視点から刺激をもらいました。
どんな形で自分の人生や研究に役立つかはわかりませんが、種を蒔いておくのは大事かと思います。
ある日、「あ、これについては前に知り合った○○さんに聞けば教えてもらえそう!」という時が来るかもしれません。
もっとやっておけば良かったこと
私が大学院在学中に「もっとやっておけばよかった!」と思うのは、以下の3つです。
- 積極的に自分の意見を言う
- アウトプットをたくさんする
- 論文を投稿する
① 積極的に自分の意見を言う
大学院生は授業やゼミで、積極的な姿勢が求められます。
具体的には、誰かの意見に対して質問をしたり、自分の考えを言うことです。
私は、もともと人の前で話すことや手を挙げて意見をいうことがすごく苦手でした。
それは大学院に入ってからもなかなか治らず、「自分はこう思うけど、間違ってたらどうしよう…」「タイミング逃しちゃった…」となかなか積極的になれませんでした。
それでもできるだけ意見を言えるように頑張っていましたが、修士課程2年目の最後の方にやっとできるようになってきたと実感しています。
でも、これが1年目からできていたら良かったなぁと思います。
自分なりに頑張ってはいたのですが、やっぱり「今日は意見しなくていいや」と諦めてしまうことも多かったのです。
最初から、「誰のどんな意見でも大事。考えているだけでは考えたことにはならない!」という考えのもと行動できていたら、今もっと成長できていたのかもしれません。
なので、修士在学中には積極的に自分の意見を発信することを心がけ、習慣にしてしまうと良いと思います。
② アウトプットをたくさんする
大学院では色々な勉強をしますが、それをアウトプットすることが大事です。
私は、大学院内でゼミ・研究会・学会ではもちろんですが、日常的な経験や学習についてもっとアウトプットしても良かったと思っています。
例えば、私はこのブログを書いていますが、更新頻度は月に1〜2記事でした。
noteは気が向いた時に更新するくらいでしたが、これがもう少し、小さなことでも頻繁にできていたら、と思います。
なぜなら、インプットしたことって、時間が経つと忘れてしまうんですよね。
読んだ本とか、学会で経験した出来事とか、研究をしていく中での自己成長とか…。
時々noteやブログ、Twitterを見返すと「あの時こんなこと考えていたんだなぁ。今、それが実現してて嬉しいな」と振り返ることができます。
博士課程では、小さな出来事でももっとアウトプットの機会を増やしていきたいと思っています。
③ 論文を投稿する
これは人によりますが、論文を1本でも学会誌に投稿できていれば良かったと少し後悔しています。
学部を卒業したばかりであれば卒業論文を、そうでなければ文献レビューなんかは論文にすることができます。
研究室によっては、ゼミの先輩や先生と共著で投稿することもあるかもしれません。
修士課程を卒業して就職したり進学する時には査読論文があれば実績になりますし、研究をするための競争的資金や助成金をもらう時にも有利です。
博士課程になって、実績の少なさに苦戦しているので、修士課程の頃から発表や論文投稿についてアンテナを張り巡らせておけば良かったのかなと思っています。
まとめ:大学院での過ごし方で将来が決まる!
いかがでしたか?
大学院、特に修士課程では指導教員のもと研究を進めていきますが、指導教員に頼りながらもどれだけ自分で視野を広げていくことができるかが重要です。
最初はとてもできないと思うようなことも、学生の特権でどんどんチャレンジして失敗を経験していけば良いと思います。
それは後に貴重な経験となり、実績となり、将来につながっていきます。
大学院の貴重な2年間を、有意義なものにしてくださいね!